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背骨治療の専門医に聞いてみました

背骨の病気は専門医に相談を!手術など幅広い治療選択肢があります

合田 有一郎先生
高知赤十字病院 整形外科
Dr. PROFILE
日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医
Q
手術におけるリスクはありますか?

ここまで紹介した手術については、いずれも神経損傷に注意するのはもちろん、合併症として感染症に気を付けなければいけません。感染すれば、金具を入れている場合はそれを抜かないと良くならない場合があります。神経損傷の対策として、モニタリング装置を使います。これは、電気刺激を送り、手足の筋肉の電流をモニター上で確認できる装置で、手術中に神経を傷つけていないか知らせてくれるシステムです。また感染症への対策として、整形外科の手術では、特別な手術着を着て二重手袋で手術を行います。手袋も定期的に時間内で交換するなどして清潔な状態で手術を進め感染を予防しています。

Q
手術後の生活について教えてください

リハビリについては、決まったプログラムはなく、患者さん一人一人に合わせて進めていきます。まず手術後は、痛みの程度に応じてできるだけ早期に離床していきます。元の歩行能力や体力に応じて、可能であれば歩行器歩行、杖歩行、独歩と、ステージを上げていきます。患者さんの置かれた生活環境に応じて、退院後の生活の安全性が担保される状態を見極めながら退院の時期を検討します。術後に痛みがある場合、それが傷の痛みなのか、骨や神経などからくる痛みなのかを判断し、年齢や体格などに応じてお薬でコントロールします。
固定術をした場合は、退院後、骨癒合のためにコルセットをしていただきます。その間は、重たいものを持ったり放ったりするような負荷のかかるような動作は避けるようにしましょう。また、体をぶつけあうようなコンタクトスポーツは避けてもらいます。

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Q
症状に悩んでいる方へ、先生からひと言お願いします

多くの手術方法が確立され、多くの病気に対応できる環境が整ってきています。手術は確かに怖いと思いますが、手術のメリットデメリットなど気になることは医師に確認して、納得して検討していくことが大切です。その人の生活様式や年齢、性別、全身状態などを考慮し、患者さんのニーズに応じてオーダーメイドの治療をご提案するよう心がけています。痛みやしびれがある場合は、自己判断ではなく、きちんとした診断を受け治療を進めるようにしましょう。